車を降りると、目の前の光景に目を疑った。

百人、二百人……いや、その倍の倍はいる。

特攻服を着た男達が、海辺で爆音のするバイクをふかしながら“暴走”の時を待っている。

「すごい、これがAXISの全組員なの?」
「まさか、全員はいねぇよ。組員は全国にいて、この五倍はいる」
「五倍っ!」

恐ろしい、No.1の力…っ!

ただただ圧倒されてしまう。

「「将冴さん!! お疲れ様です!!」」

倉庫に向かうと、柄の悪い男達が一斉にお辞儀して道をあける。

「ようよう~、適当にやっとけよ」
「「はいっ!! ありがとうございます!!」」

将冴さんは私の肩を抱く。組員のほぼ全員が怪訝そうに私の顔を見る。

「今日は他の最高幹部は?」

倉庫の前で警備していた男に、将冴さんが訊く。