建物を飛び出し、無我夢中で走った。繁華街を抜け、気がつくとそこは、人気のない公園だった。

「あれ? たしかこの辺りって…」

学校で言われた気がする。この辺りの地区は暴走族がうろつく危険なエリアだから、絶対にひとりで近づいたらダメだって。

「痛っ!」

ヒール付きの靴で走ったせいか、いつの間にか足は血だらけだった。

ベンチに腰かける。時計を見ると、夜の10時をまわっていた。

「これから、何をしよう」