「早瀬 燈真。よろしくする気はないけどよろしく」



路地裏を抜け、人通りが無い静かな場所。

中は今いる6人だけでも、少し広い気がするようなしないような。

それからどこから持ち出したのか、小さいテーブルにソファがある。

本棚もあるし、一体ここはどこなのだろう。


それに、どうしたことか僕だけにしか見えない幽霊までいる。


しかも、この中でズバ抜けて顔面偏差値高め。

幽霊が顔面偏差値高めってどういうこと。



「よろしくする気はないって、あんた何様のつもり?」



ぐるりと部屋を見渡していると、まるで大型トラックのように勢いよく突っかかってくる声が耳に届いた。


眉間に皺を寄せたこの人は確か月城 星奈(つきしろ せいな)だと言っていた気がする。


髪はくるくるに巻いてあり、メイクも派手だ。

あーなんだろ……僕はあんまり近ずきたくないタイプだ。



「星奈、お、落ち着こう?」



少々狼狽えながらその人を宥めるこの人は、七瀬 一華(ななせ いちか)。


さっきの人と違い、髪を2つに分けて三つ編みにしてあり、メイクもしていないように見える。