「もうこれ以上、月奈(るな)とこんな関係でいんの無理っ」


うそ…
嘘だよね?

別れを切り出されたあたしは…
ショックで、受け入れられなくて。

とっさに逃げ出すと…
足を踏み外して、階段の下に真っ逆さま。


うそ…
ねぇ風人(かざと)、嘘だよねぇ?







「…月奈?
月奈大丈夫かっ?」

「んん…
(ほまれ)、どうしたの?」

「どうしたのって、うなされてたから…
大丈夫なのか?」

「…大丈夫。
ちょっとヤな夢見ただけ」
そう言ってベッドから抜け出ようとすると。

グイと抱き戻されて、唇を塞がれる。


「んっ…ふっ……」

甘い水音をまとった淫らな熱に、口内を埋め尽くされて舐め回されて…
とろりと身体が溶かされそうになったものの。

その感覚を振り払って、キスから逃れる。


「っ、もおっ。
今日仕事でしょ?
起きたんなら用意しなよ」

「…ほんと、いつまで経ってもドライだな。
俺らもう1年になるし、ちょっとは甘くなってくれてもいんじゃない?」

「甘さが欲しいなら他のコ探せば?
誉ならどんな女のコでもOKしてくれるよ」


そうこの男、松村誉は…
男の色気が漂う、クールな顔つきの究極イケメンだ。