放課後、俺は結乃を迎えに行く。

 バンッ!!

 ……誰かとぶつかった……。

 コイツ、1年か?

「すみません先輩っ……!」

「ううん、僕も目の前見えてなかった、ごめんね」

 結乃にもっと好かれる為にも、後輩には優しくしておこう。

「せ、先輩優しい……!!」

「そんなことないよ〜、あ、僕用事あるからもう行くね」

「は、はい……!」

 チッ、キャラ被りめ。

「あ!鈴くんっ……!!」

「結乃っ!」

 前から結乃が可愛らしく走って来て、思わずギュッと抱き止めた。

「えへへ、今日も授業頑張ったよ!」

「うん、よくできました、いい子いい子〜」

 そう言って、優しく頭を撫でた。

「えへへ」と微笑む結乃に、思わず頬が緩んだので、慌てて腕で口元を隠した。

「鈴くん、あのねあのね」

「うん、どうした?」

「新しいチョコレートケーキが発売されたの!!買いに行ってもいい?」

「うん、一緒に行こうね」

「やったー!!」

 ふふっ、本当に嬉しそうだな。