梓と玲子、それに厚彦の3人は放課後になるのを待ち、職員室へ向かった。


「新聞部です!」


元気な声でそう言ったのは玲子だった。


自分が新聞部だと偽るのがどこか楽しげだ。


「あら、また来たの?」


対応してくれたのはカナさんのときにアルバムを見せてくれた先生だ。


「今度はなにを調べているの?」


さすが、一度面識ができているから話は早い。


「今度はサッカー部の歴史を振り返ることになったんです」


説明したのも玲子だった。


なにがそんなに楽しいのか、梓には理解できないけれど。


とにかくなにもかも玲子がひとりで説明してくれたおかげで、すんなりと資料を受け取ることができた。


それは30年前にバスケ部が作られた時からずっと続く資料だった。


「持てる? 平気?」


30冊分のファイルを渡されて、玲子は目を白黒させている。


慌てて横から半分ファイルを持ち、職員室を後にした。