「ちょ、う、りり、絶対こっち見ないでね!寝返りうったら処刑だから!」

「罪重すぎない…」

「重くない!」

「てか楓莉もう少しそっち行けない?」

「だぁっ!?」



李々斗が流れるままに振り向こうとしたから、動揺した勢いのまま、顔を隠すように布団にくるまる。


「おい楓莉」とちょっとだけ不機嫌そうな声が聞こえて、う、と言葉を詰まらせた。



「布団かえして。寒い」

「あぅ…」



グイ―っと布団を引っ張られ、あっという間にはぎ取られる。



壁側を向いて丸まるわたしと、バサッと広げて布団を整える李々斗。


再び李々斗が布団にもぐって来てもなお、恥ずかしくて顔を向けられなかった。



李々斗の部屋、李々斗のベッド。

そして李々斗本人。


大好きな人の匂いに包まれたこの中で、わたしは大好きな人とともに眠りにつかなければならない。