【緋和side】

「──おはよう、ございます…」


「んお、忘れてた。俺JK拾ったんだっけ」




リビングからフラッと現れた楠木さんは私を見て数秒停止。


状況を思い出したらしく大あくびをしてお腹をボリボリ掻きながら顔を洗いに行った。


恐ろしく寝起き悪いんだろうな…




髪はふわふわしてて寝癖だらけで、ダボダボの部屋着姿。


ゆるっとした感じがすこし可愛らしい。





…2日前に出会った人と何してんだろ、私。


自分の姿を見下ろしてみると、楠木さんに借りた大きめのTシャツと緩いズボン。


彼氏か…?




服は全部燃えちゃっただろうし、制服で寝る訳にもいかないから。


買いに行けたら良かったんだけど、火事が起きた日この家に着いた時点で23時過ぎ。

とてもお店がやっている時間ではなかった。