学食で昼飯を食ってたら、



初等科の頃からつるんでる小鳥遊琉人がやってきた。



茶髪に、破れたジーンズ、いくつものピアス。



バンドをやり始めてから、



優等生だった琉人のスタイルがかなり変わった。




「そういえば、千里、例の見合い、どうなったんだよ?」




「あー、まあ」




曖昧に言葉をにごす。




「なんだよ、それ。



相手の親父さんから断られたんじゃなかったのかよ」




「まあな」



「つうか許嫁との見合いで断られるって、


お前、なにやらかしたんだよ。


いつものドSぶりを披露しちゃった? 



俺に触んな、話しかけるな、黙れ、みたいな



鬼畜対応したんだろ。そりゃ、断られるわ」




「なんだよ、鬼畜対応って」




つうか、嬉しそうな顔するな。




「で、どうなってんの?」




「興味本位で首突っ込んでくんなよ」




「いいから、白状しろよ」




人のことだと思って、面白がりやがって。




「許嫁大学院生がアメリカに逃亡して、



その妹と婚約話が進んでる」




「妹って、いくつ?」




「……高3」




琉人はあんぐりと口を開けて固まっている。




ま、そうだよな、驚くよな。




ホント、じーさん達、なに考えてんだよ……