それから約一週間。


アザも薄くなり始め、タバコを押し付けられた痕の痛みは無くなった。


今日から学校に行く事になった。


「わぁ、優愛ちゃんの制服姿、久しぶりに見たぁ!」


目を輝かせてそう言う先生を横目に、学校に行く準備をする。


「優愛ちゃん、無理だけはしないでね。」


さっきとはうって変わって、真剣な顔で私を見る先生。


「はい。」


私も先生の目を見て返事をした。


「少しでも具合悪くなったら保健室行ってね。」


「分かりました。」


「はぁぁぁ、心配だなぁ。………優愛ちゃん、一回だけ抱き締めさせてくれない?」


いや、この流れで何故そうなる。


フワッと香る柔軟剤の匂いがして我に返る。


聞いておきながら、返事を待たずに抱き締められた。


………でも、不思議と嫌じゃない。


むしろ、安心する。


「大丈夫、俺が居るから。」


私の背中をポンポン叩いて、ゆっくり離れた先生。


「よし、行こっか!」


私は頷き、先生と一緒に家を出た。