蓮くんが私にキスするなんて……。

本当にどうかしてる。

いくら突然のこととはいえ、抵抗しなかった私も私だ。


下駄箱についても、ものすごい速さで打ちつける鼓動はちっとも落ち着かなかった。

まだ……唇に蓮くんのキスのあとが残ってる気さえして……。


「お嬢様ぁぁぁ!!」

「ヒィッ……!!」


不審者!?と他の生徒が勘違いするかのような勢いと表情で全力疾走してきたのは若さんだ……。


理事長の許可を得てるとはいえ、護衛を務める若さんが生徒の中に紛れ込んでるのは何度見ても違和感しかない……。