放課後、廊下にでたところを他のクラスの女の子たちに呼び止められた。
三人で固まった彼女たちは、私に泣きそうな顔を向けてくる。


「あの、花岡さん!」

「は、はい……私に何か?」

「私たち、どうしても花岡さんにお聞きしたいことがあるんです!」

「花岡さんは、その、飛鳥井くんとは……」

「い、いったい、どのようなご関係なのでしょうか……!」


震えながらそんな問いかけをしてくる彼女たちの顔を、まじまじと見る。
瞳をうるませて、頬を赤くして、手を震えさせて、必死な様子に彼女たち。

彼女たちが聞きたいことは、よくわかる。
私と狼くんが、本当に付き合っているのかどうか。
恋人同士なのかどうか聞きたいのだ。

聞きたいけど、聞きたくない。
そんな不安と緊張が私にも伝わってきて、心苦しくなった。