「…なぁ悪かったって。邪魔者を容れさせないためにはあの2人の協力が必要だったんだよ」


「……」



赤本から少し顔を上げてキッチンにいる奴を睨んでまた勉強を進める。



悲劇の体育大会から数日。
私は未だにあのことを怒っていた。



あれだけで終わるのならここまで怒ることはしない。



体育大会の翌日、私を見かけた小橋が駆け寄ってきて私に全力で謝ってきた。



「矢倉さんごめん!鉄也先輩と尋人先輩にあのお題の紙の本当の内容聞かれて答えないわけにもいかなくて…!」



2人とも小橋には先輩にあたるから黙っているわけにはいかないよね。
体育大会の時に前項の前で隠してくれたから、そこは仕方ない。



そして問題はここから。
小橋からお題の内容を聞いたということは、私のところに来る時には既にその内容を知っていたということ。