「今日はわたしがごはん作るから、お母さん休んでて」


土曜日。

お母さんも仕事が休みで家にいるのに、ずっとせっせと動いているから少しは休んでほしい。


「あら、じゃあお願いしようかしらね」

もともとお母さんが仕事で遅い日はわたしがご飯を作ったりもしてるし、料理の腕には自信がある。


何作ろうかなー。そう考えてふと浮かんだのは自分がハンバーグを誰かに作っている光景だった。

誰かにっていってもお母さんくらいしかいないんだけどね。

弥生と凌が家に遊びにきたときはお母さんが料理してくれてたし。

でもなんでだろう。お母さんじゃない誰かな気がする。


「めっちゃおいしいよ」

そういっておいしそうにわたしが作ったハンバーグを頬張っているのは・・・。

そこまで考えたけど、どうしてもその人には靄がかかっていてわからない。