私は自分の部屋の、新しくなった窓と、新しくなった部屋のカギを見つめていた。

空き巣の入った次の日に業者が来て取り替えてくれた窓と、新しいカギ。

このカギは律樹はもう持っていない。


あの日、律樹は朝まで片づけを手伝ってくれて、それから仕事へ行った。
私は業者が来るからと、翌日は仕事を休んだ。

ちょうど泣きすぎた目が腫れてしまって仕事へ行ける状態じゃなかった。

あれから・・・2週間・・・。

私が出勤するのはあと5日だけになっていた。

十分・・・。
律樹の想いだけで、諦めないという言葉だけで、私は十分。