「次郎から台本をもらったネ。でも始まりが暗すぎヨ。ホラーも面白く書きたいネ!」

ブツブツと言いながら、ハオユーが台本を読んで書き始める。今日のために彼は中国ホラーをたくさん観てきたのだ。



「うっ、うわぁぁぁぁぁ!!」

僕は悲鳴を上げて女を追い払おうとする。しかし、女はニタニタするだけで全く離れない。むしろ足を掴む手は力が強くなっている。

「ホアちゃあ!!」

その時、部屋の押し入れが勢いよく開き、何者かが飛び出してきた。額にお札をつけた妖怪ーーーキョンシーだ。

突然現れたキョンシーは女の幽霊を蹴り飛ばして追い払う。僕はそれを震えながら見つめていた。

「き、君は?」

僕が訊ねると、キョンシーはニコリと笑って廊下を歩いていく。僕も後を追って廊下を歩いていった。キョンシーは家の外に出て行く。

「ま、待ってよ!」

僕が靴を履いてキョンシーを追うと、暗闇の中で何かが動いているのが見える。それはよく見ると一体だけではなく何十体もいる。