「さて、物語の初めを書くことになりましたが……。どうすればいいでしょうか」

夜。次郎は寮の自室で真っ白な紙を見つめて考えていた。しかし、いいアイデアは思いつかない。

「困りました。私が書き終わらないと映画が出来上がりません」

困り果てた次郎はホラー映画を見てアイデアを集めることを決めた。毛布をかぶり、ジャパニーズホラーの代表とも言えるリングや呪怨、着信アリを次々と再生して見ていった。

「な、なるほど……。やはりホラーとはこういうものですよね……」

次郎は恐怖で体を震わせながらテレビを消し、紙に思い付いた映画の始まりを書いていく。



僕の名前はヒロ。高校二年生だ。そんな僕は夏休みを利用して田舎にある祖父母の家に遊びに行くことになった。

「おばあちゃん、おじいちゃん、久しぶり」

「よう来たねぇ。ゆっくりしていきな」

おばあちゃんが出迎えてくれて、僕は嬉しくなる。しかし、おじいちゃんはどこか気難しそうな顔をしていた。