翌日、私はいつも通り登校し、教室に向かった。
あの後賢翔がどうなったのかは知らない。どうでもよかった。
朝目を覚ますと、なぜか私はよくわからない安心感に包まれていて、それが私の気持ちを強くさせていた。


教室でいつも通りに本を読んでいると、突然廊下の辺りが騒がしくなった。
怪訝に思って教室を出た私を待ち構えていたのは、銀星だった。


「……どうしたの?」


銀星が直接私を迎えに来るのは初めてだ。
驚いて駆け寄ると、銀星は私の手を握って歩き出す。


「ついてこい」


それだけ言って、銀星は私をいつもの空き教室に連れて来た。


中に入ると、友幸と賢翔がいた。
賢翔はおそらく銀星にやられたのだろう、顔に大きな痣ができていて、痛々しい姿だった。


賢翔と目が合い、私が顔を顰めると賢翔はいきなり私の前に膝をついて、頭を下げた。