ケータイ小説 野いちご

転生悪役幼女は最恐パパの愛娘になりました

Chapter.2


CHAP2



『魔法の国の恋人』は、魔法を要とした世界、メイザー大陸が舞台だ。

遥か昔、メイザー大陸の人々の多くは魔力を有しており、常世を見られる彼らは妖精と共存して生きていた。

しかし人々はやがて自分たちの住む場所を作るため森を切り開き、便利さを求め道具を発達させ、富を巡って争いを繰り返し、段々と妖精を敬うことを忘れていった。
その頃からなぜか魔力を持つ人間がほとんど生まれてこなくなり、魔法使いは稀で時代遅れの存在となって、彼らはひっそりと鳴りを潜めて生きていくことを余儀なくされた。

戦争を繰り返す人間たちはやがて王政や身分というものを生み出し、メイザー大陸には幾つもの王国が生まれ、社会は王侯貴族と庶民のものとなっていく。不思議な力を持つ魔法使いは新たに栄えた宗教によって異端だと弾圧され、もはや絶滅寸前になっていた。――しかし。

今から約二百年前、大陸歴千八百年。世界に突然変化が訪れた。
大陸中のあちこちで常世と現世の境目が曖昧になり、その場所では魔力を持たない者にも常世の生き物が見えるようになったのだ。
見えるだけならばまだいい。魔力の強い常世の生き物は、現世の人間や物に物理的にも干渉出来るようになってしまった。

常世に生きるのは小さな妖精だけではない、人に害を与える竜や巨人、魔獣などもいる。人々はそれらを『魔物』と呼んで恐れた。
常世の者たちへの畏敬を忘れ長年生きてきた人間たちに、魔物を退ける術はなかった。王国自慢の大砲は竜の炎に焼かれ、兵士たちは巨人に薙ぎ払われ、頑丈な砦は魔獣に踏み荒らされた。

そんなとき人間に光明を与えたのが、かつて迫害され続けた魔法使いだった。


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