ケータイ小説 野いちご

VS社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

6章:迫られた選択
*それぞれが告げる想い


納得がいかないイトカ。


「シバ社長!
 どうするんです!?」

「…うるさい。
 たいした話ではない」


社長室に戻り本人に問い詰めるものの
いつもと変わらぬ面持ちと
あまりに薄い反応で
まるで他人事。


「全然たいした事あるじゃないですか!
 あのキモイ男に
 会社を乗っ取られるかもしれないんですよ!?」

「だから口の利き方に――」

「何を呑気なッ
 そんな事になってもいいんですか!?」


冷静沈着すぎる社長にイトカは捲し立てるも
反論する事もなく
デスクの上で指を組んだまま黙っている。


「…私がこの街から出て行けば
 問題は解決しますか?」

「何を言い出す」


予期せぬイトカの提案に
不機嫌な表情で社長は反応。


「私が足枷になっているのであれば
 すぐにでも出て行きます。
 婚約を破棄してください」


イトカの真剣な眼に
『まさか…』と察する。


「お前…
 あの人に何を吹き込まれた」

「…いえ、何も」


社長の問いに視線を外して答えてしまい
見え透いた嘘だとすぐにバレてしまった。



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