「……なるほど。これでふたりが死んだとなると、もう死ぬやつはいないはず。外に出られるんじゃないのか?」

「ーーーいや、まだだ。野上早智子が犯人だということは、自殺ではなく、他殺だってことだ。自殺を装い殺したのなら、その証拠がどこかに残っているはずだ」

「だとしても、警察は隅々まで探してるはずたから、何も出て来ないんじゃ……」

「ーーーいいや、調べてない所があったぞ」

「えっ?どこですか?」

「ーーー隠し部屋だよ」

「隠し部屋!?そんなのどこに!?」

「ひとつだけあったんだよ。隠し部屋が。警察も知らない、隠し部屋がな」

「……どこにあるんですか?その部屋」

「一階の書庫の棚の後ろだよ。ずらしたら、扉があったんだよ」

「いつそれを?」

「さっきだよ。平林と一緒に探した時に見つけたんだ」

「部屋には何かあったんですか?」

「………ああ。色々と入っていた。恐らく、あの部屋に誰かいたんだろう」

「……マジかよ」