プールで幽霊を目撃する話も、学校の七不思議でよくあるのものだった。


「放課後に1人でプールに入ってるとね、子供の霊に足を掴まれて引きずり込まれるんだよ」


あたしは昨日のうちに考えておいた話をクラスメートたちに聞かせた。


「ここは中学校なのに、子供の霊が出るの?」


「うん。何十年も昔、ここのプールに忍び込んだ小学生の子がいたみたい。その子は1人で遊んでいて、気がついたら溺れてプールの底に沈んでたんだって……」


「そんなことがあったんだ……!」


クラスメートたちはみんなあたしの嘘を信じ込んでいる。


「その霊がいまでもいるんだね?」


「そうだよ。今日は特に強い霊気を感じるから、見ることができるかもしれないよ」


あたしの言葉にクラスメートたちは怯えながらも、キラキラとした好奇心の目を向けてくる。


「それ、今すぐ見に行ける?」


そう声をかけてきたのはノドカだった。