SIDE 優心




莉愛ちゃんは……なんであとちょっとってとこで、見抜くわけ。


そうだよ。
俺には、莉愛ちゃんのことを手に入れたい本当の理由がある。


『北風と太陽なら、太陽が好き。優しいから』


莉愛ちゃんが俺とサヤの前で、そう言った時のサヤのあの顔が見たいんだよね。


――優心に負けた。



屈辱的なあいつの顔が見たい。


莉愛ちゃんが俺のことを好きになるだけで、その願いはかなうんだよ。


甘い言葉はできるだけ吐いたつもりなのに、ちっともこっち見ないんだから、莉愛ちゃんはひどいよね。


……サヤばっかりでさ。