そうして、夏祭り当日がきた。


浴衣の彩りや連なる屋台に胸を弾ませながら爽斗くんの隣を歩いている。



屋台からだいぶ離れた土手にたどり着き、
斜面に並んで座って。


真上で弾ける大きな花火を見上げているんだけど……。



ものすごい迫力だ……。


「マンションから見るのとはぜんぜん違うね……」



——ドーン、と体に響く重低音のあと、


頭上に大迫力の花火が、ばあっと咲いて、闇に火花が垂れ落ちる。



……これ、怖くない?


打ちあがるたびに反射的に身構えてしまう。



「……あのね、ぜったい火とか落ちてこないから」



爽斗くんは呆れてる。


「でも火花くらいは落ちてきそうな迫力だね……。ひっ」



こんな連発で打って、本当に大丈夫なの……!?


あ……生きた心地がしない。