高校に入って、生まれて初めて彼女ができた。

中学のころ、それなり告白されることもあったけど、当時はバスケ一筋で、部活も厳しかったから、恋愛する余裕がなくて。

でも、高校に入学してからは、あの頃ほどバスケに熱中する感じではなくなっていった。

一緒に汗水流して頑張ってきた連中とは、学校が離れて、

久しぶりに会うたびに変わっていくチームメイトに、ちょっぴりモヤモヤして。

そんな中───。

「酒井くんって、春園バスケ部の?」

新しい学校では、自分の名前がちょっと知られていて、自然と女の子が集まって。

ちやほやされておだてられて、正直、気分がよかった。

知らない人ばかりだけど、向こうは俺のことを知っていて、優越感っていうのかな。

ある時、特に人気の女子グループの1人に告白されて付き合うことになって、三ヶ月がすぎた頃。