「え、あの酒井隆一くんと連絡先を交換した?いや、どういう展開?!え?!」

「姫茉、体育祭の後、寧衣と話す予定だったんじゃ……」

体育祭の振替休日が終わり。

朝、羽芽ちゃんたちが私の席に来るなり、『どうだったの?』と聞いてきたので、酒井くんの話をすれば、

みんながものすごく驚いた反応を見せた。

いや、私もまさか酒井くんとあんなことになるなんて思っても見なかったから、そりゃそうか。

和子ちゃんだって酒井くんの中学の頃の人気ぶりを知っていたぐらいだもんね。

でも、引っ掛かるのは羽芽ちゃんの言葉。

羽芽ちゃんは、私が寧衣くんと話す予定だったのを知っていたの?

てっきり、私が酒井くんと話すのを知っていて送り出してくれたんだと。

「羽芽ちゃん、知ってたの?寧衣くんとのこと」

「え、あ、いや、まぁ、」

なんとも曖昧な答え方をする羽芽ちゃんに、首を傾げる。

「てか、他の男ってわかってたらあんなふうに姫茉ひとり行かせないって……てか、寧衣と姫茉、何があったのよ、なんで話していないわけ?」

と、ちょっぴり不機嫌そうな羽芽ちゃん。