ケータイ小説 野いちご

小悪魔王子に見つかりました

寧衣くんと水族館


変……じゃ、ないかな。

家を出る時間まで残り5分。

部屋の鏡で何度も身だしなみをチェック。

かれこれもう30分ぐらいこうして落ち着かない。

ゴールデンウィーク初日から3日が経った、寧衣くんと水族館に出かける当日。

《ついに明日だね、すっごく楽しみ》

寧衣くんからの昨日のメッセージを読み返して、思わず緩む口元に力を入れる。

本当に、今日なんだよね?

私、寧衣くんと2人で水族館に行っちゃうんだよね?

夢みたいだ。

少し前まで別世界の人だと思ってた彼と、ふたりで出かけるなんて。

そりゃ、放課後ふたりきりで遊んだこともあったけど、

予定を立てて待ち合わせを決めて出かけるなんて、

これじゃまるでカップルみたいじゃん、なんて浮かれてしまう私もいるわけで。

寧衣くんからプレゼントしてもらったひまわりのヘアピンを軽く指で撫でて。

「よし、大丈夫……」

小さく自分に言い聞かせてから、なんだかんだ早めにお家を出た。

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