『仁那?ピアスあった?』


あ、藍からのメール……。

彼氏との電話が終わったらしい。
まだ戻っていない私を心配して連絡してきてくれた藍に、凍りついて動かなかった心もそれに付随する手足もようやく動かすことができた。


そうするともう一秒だってここにはいたくなくて。

出入口の近くで秦野さんにも「ピアス見つかったか?」て声をかけられたけど、うまく返事をできたかもわからない。

とにかく急いで地上に出ると藍の姿を探す。


モモタと神奈さんと待っているのを見つけてそちらへ走り出そうとした私の腕が突然引かれ、思わずふらついた足を踏ん張り顔を上げる。

すると……。