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「排水溝から外へ…?」

夏実の提案に私達は息を飲んだ。

「うちの学校のプールは古いタイプのもので、かなり排水溝が広く設計されているの。しかも海へと直接つながっている。まずはそこから外へ脱出する」

私達は夏実の指示に従い、プール中央にある排水溝の前に来た。

安全対策のフェンスでふさがっているけど、たしかに人が入れるほどの大きさはある。

「排水溝を空けると水が一気に外へ流れる。一人なら外へ出られるけど、他の者は水のないプールで逃げ場を失い、殺される…」