水泳の授業は体育の守山先生がスマホゲームに熱中しているおかげで、ほぼ自由時間だ。

始まる前に悠介に瑠花の話をした。悠介は深く考えることもなく、承諾した。

水に浸かっていると、

「きゃっ!」

誰かが水中で私の足をつかんだ。

「ぷっ、ビビってやんの」
「ガキかおまえはっ!」

悠介は笑いながら姿を現した。

黒髪で整った顔立ち。バスケで鍛えた筋肉は細くもたくましくて、身長も背が低い私とは20センチくらい違う。

「さっきの遊び行こうって話、やっぱ俺止めとくわ」
「は? なんで?」