「次のゲーム開始するかぁ」


直後にそんな声が聞こえて来てギョッと目を見開いた。


まだ呼吸は荒く、体を起こす事もしんどい状態だ。


綾も同じように床に転んだままキツク目を閉じている。


とてもじゃないが、次のゲームなんてできる状態じゃない。


「お、俺、ちょっとトイレ!!」


焦っていると、浩成がそう言った。


「なんだよお前、トイレは自由時間にすませとけよー」


鬼の文句が飛ぶが、浩成は無視して広間内にあるトイレへと向かった。


「浩成、わざとだね」


綾が目を開け、俺にだけ聞こえる声でそう言った。


「あぁ……」


その間に少しでも体力を回復させるため、


俺は深呼吸を繰り返したのだった。