俺は茫然としてその場に立ち尽くしていた。


文夫は床に座り込み、青い顔のまま失禁してしまった。


そんな文夫を見ていることができなくて、俺は鬼を見上げた。


さぁ、勝ったぞ。


次はどうするつもりだ。


心の中でそう思い、鬼を睨み付ける。


「いい試合だったなぁ!」


鬼は呑気な声でそう言い、拍手する。


それにつられるようにして子鬼たちも拍手しはじめた。


「勝ったお前、商品はこれなー」


鬼がそう言うと、メイド鬼がうまい棒の明太子味30本入りを掲げて見せた。


そんなもんいらねーよ!


と、心の中でののしる。


しかし、声は出なかった。


負けた文夫になにが待ち受けているのか、恐怖で声が出ない。


「負けたお前。まじダッセー」


鬼が踏みをを見てため息まじりにそう言った。