◻︎



「わたしは赤で桜井くんは青なんてどうですか?歯ブラシ。」


「新婚みたいなことしてんじゃねえ。」




そう言うなり桜井くんは青の歯ブラシだけをわたしの手から奪い、棚に返した。

手元に残った赤の歯ブラシを見つめると、店のライトに反射し、綺麗に輝いている。
 


「…ふふっ」



わたしの歯ブラシはこれに決定したようだ。