その年の秋は 妙に 寂しかった。


早苗と 付き合い出した 川村は

毎日 明るく 浮かれていたし。


退社後も 川村は 早苗を優先したから

俺達は 飲みに行くことも なくなった。


「なぁ 寺内。今度 3人で 飲みに行かないか?」

「嫌だよ。俺 お邪魔虫じゃないか。」

「そんなことないよ。いつも2人だと マンネリ化しちゃうだろ?たまには 気分を変えたいんだよ。」

「川村は そう思っていても 岩瀬さんは 迷惑だろう。」

「そんなことないよ。早苗も たまには 寺内さんでも 誘ったらって言っているから。」

「へぇ。それなら いいけど… でもなぁ。あんまり 見せつけないでくれよ?」

俺は 曖昧な笑顔で 川村に言った。


川村と早苗は 上手くいってないのか?

早苗の言葉が 気になったけど。

少し 嬉しくもあって…


その週の 金曜日 俺達は 3人で 飲みに行った。