片側がガラスになったショーケースになった小さな仕切りの中に入れられた子犬達を順番に抱き上げ、体調に異常がないかを確認してゆく。
 抱き上げられた子犬たちは皆、嬉しそうに尻尾をブンブンと振った。

「うふふ、今日も元気ねー」

 益々尻尾を激しく振った子犬がペロペロと顔を舐める。

「わわっ、くすぐったいよ」

(ああ、可愛いなあ。幸せだなぁ)

 思わず笑みが漏れる。
 ペロペロなめられてくすぐったい……。

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(夢……?)

 ミレイナは頬を舐められるような感触を感じてゆっくりと意識を取り戻した。いつの間にか、大きく開いた開口部から見える外はすっかり闇に包まれていた。

 今度は頭のてっぺんをペロリと舐められて、ミレイナは飛び上がる。