荷物を持って病院へ戻ると、祖父の容態はひとまず安定していた。


意識はまだ戻っていないけれど、この様子ならしばらくは大丈夫だろうと伝えられた。


けれどあたしの心は晴れなかった。


家に戻ると一人ぼっちで、どうしても気分は沈みこんでしまう。


「今日はこっちの家に泊まろうか?」


伯母さんがあたしを心配して声をかけてくれたが、あたしは丁寧に断った。


伯母さんだって自分の家がある。


あたしにばかりかまっている暇はないはずだ。


お祖父ちゃんが入院したことで、余計に忙しくなってしまっただろう。


そんな伯母さんに甘えてばかりいることはできなかった。