「最近○○町では子供を狙った猟奇的な事件が起きています。犯人は子供を連れ去ると、手足をどれかひとつを切断してしまいます。被害に遭った子供たちはみんな目隠しをされていて、犯人の顔は見ていないそうです」


シャワーから出てきたあたしはぼんやりとそのニュース番組を聞いていた。


足元にはボストンバッグが置いてあって、中にはさっき切断した女の子の足が入っている。


「被害に遭った子供たちの名前が公表されたようです。


○月×日、太田清子ちゃん5歳。右腕を切断。


○月△日、田村直樹君3歳。左腕を切断。


△月×日、三好明人君4歳、右足を切断……」


読み上げられる名前を聞きながらあたしは祖父の書斎へと向かった。


床に散らばっている紙くずを見つめ、そばに座り込む。


「あたしは一体何者なの?」


呟いても、返事はない。


あたしは紙くずに手を伸ばした。


「どうしてあんなことができたの?」


残っている文字を確認して、並べていく。


「誰か教えてよ。なんで、あたしはあんなことを……」