★★★







「…え?」



…ホント。

俺が悪い俺が悪い、って言い張って。

肝心なことを言わないのって、どうかと思うよ。



でも、起こってしまった結果に。

そうでも言って、自分に発破かけてないと、やってられないのか。





「…あれは、ちょうど三年前のお話です。こんな雪解けの進んだほんのり暖かくなってきた日、だったかな」



すると「お待たせ致しました」と、星砂さんが目の前にお皿をひとつずつ置いていく。

「…おぉー。今日はボロネーゼですか」

「ええ。ごゆっくり」

雰囲気を察していたのか、星砂さんは早々にカウンターに戻っていった。



「…その日はなずなの誕生日だったんです」

「誕生日…?」

「ええ。その日は春休みで、なずなは昼間、僕の母と呉服屋に行ったり、他の流派の公演を見に行ってました。…ですが、家族である優さんや剣軌くんは、依頼でそれぞれ市外に出ていて、戻るのは夜。『せっかくの13歳の誕生日、一人じゃ可哀想だろ』と、橘社長がなずなをディナーに誘ったのです」

「親父が…?」