「なぁ、見て見てケートちゃん。これケートちゃんに似てる」

「バカにしてるでしょ」

「かわいいってことだって」

「…あのサル、片岡くんにそっくりだね」

「バカにしてんだろ」

「とんでもない」




───とある日曜日。


私と片岡くんは、なぜか2人きりでショッピングモールに来ていた。



足を運んだ雑貨屋さんに飾られていた、リンゴに目鼻口を描いて手足を生やしただけのなんとも表現しがたいミニサイズのぬいぐるみ。


それを見た片岡くんが「ケートちゃんそっくり」などというものだから、お返しに その近くにあった変なサルの置物を指さして「片岡くんに似てる」と言っておいた。