「あ、佳都ちゃん」

「はい」

「お部屋戻るついでに、八樹に 早くお風呂入りなさいって声かけてもらえる?私、もう寝ちゃうから」

「わかりました」





───その日の夜。


時刻は22時前。

お風呂を済ませ、チカさんとテレビを見ながら一緒に笑い合って、「課題やるので部屋戻ります」って言って、そしたらチカさんにお願いされたのがつい数分前のことだ。


私は片岡くんの部屋の扉をノックして、朝と同様、返事がないことをもはや当たり前ととらえ始めた私は「入るね」と一言言ってその扉を開けた。