「一条先生!!これわかんないでーす!」



1時間目が終わり、教えてくださーい!とかけよる女の子達。
みんないい話題を見つけては一条に声をかける。

話すきっかけが欲しいのだろう。


私は1時間目はほぼ上の空だった。
授業が始まっても顔の熱は引けず、我に返ったのは七海に声をかけられてから。


はぁーとため息をつく。


……なぜこんなことに。



『また後で』

『やっぱなんでもないです』

『後でのお楽しみで』



それはこういう事だったのか。


あーもー!!

机に突っ伏して目を閉じるとさっきの光景が頭に浮かぶ。

また恥ずかしくなってきてバッと顔を上げる。