「っしゃゃゃゃゃ〜〜〜〜〜!!!!!キタ〜〜〜〜〜!!!!!」

パートナーが発表された瞬間、隣で本田くんが叫んだ。

「どうしたの?」
「蛍貴!俺の人生、捨てたもんじゃないな!」
「捨てたくなるような人生、歩んでないでしょ。」
「馬鹿!AIが勝手にパートナーを決めるとかいう狂った高校に来た時点で捨てたくなるっつうの!」

いくらそう思っていたとはいえ、同じ空間に校長先生がいるというのに、気にもせずこんなことを堂々と言えるのは、逆に尊敬する。

「だったらどうしてこの高校に来たの?」
「それは、お・ま・え・が・い・る・か・ら!」

本田くんが身体をくねらせる。僕はそれを無言で見つめた。

「あー!今、気持ち悪いって思っただろ!!」
「そんなことは。」

そんなことは…少しあったが、一応否定しておく。

「冗談だっつうの!俺はさ、元々普通の高校に通って、彼女を沢山つくる予定だったんだよ!」

“沢山”という時点でツッコミを入れたいが、そんなところでツッコミを入れていると、本田くんとの会話は全く進まなくなることを、僕は経験上知っていた。その為、敢えてスルーする。

「だけどさ〜、おふくろがさ〜、『あんたは女癖が悪くて将来絶対結婚できないんだから、相性で将来のパートナーを決められる高瀬AI研究所附属高校にいきなさい!』って〜。マジ最悪。」

本田くんには悪いが、お母さんの判断は明らかに正しいと思う。本田くんが普通の高校へ進学して、今頃はっちゃけて好き勝手やっていたと思うと……いや、考えるのやめよう……。

「パートナーにも期待してなかったんだけどさ。まさかのまさかだよ!!」
「誰だったの?」
「湖川キター!!!」

胸がザワっとした。