Naoki Side

始末屋は、人を始末する仕事。
特に俺ら9人は、スーツ姿が特徴的やから、同業者からは
『monochrome』と呼ばれているらしい。
くだらん名前つけても、やることは変わらんねんけどな。

でも、俺はアホやから。
この世界でしか生き方を知らん。
今日も9人を守るために、近くの公園で深夜のトレーニングをする。

「はっ、はぁっ…はぁ、!!」
桃「…うぉ、!今の蹴り良かったよ直樹!」
「ほんま?ありがとう桃田くん。
よし、もう1回、!」

ミットをつけた桃田くんを容赦なく蹴りつける。
俺と桃田くんは、他のメンバーに比べて格闘が多いポジションやから、
こういう日々の鍛錬を怠ったら、大切な人も守れへんくなる。
今の俺には、この8人しかおれへんから。

天咲「こんなとこにいたの?」
桃「天咲!」
「っわぁ、!!」

しまった、と思った時にはもう遅かった。
桃田くんが反応したことで、自分の拳が天咲の方へ向いてしまい、
ミットではなく天咲の方へ力の矛先を向けてしまった。

「、!」
天咲「った!びっくりしたー」
桃「すげぇ!天咲が直樹のパンチ受け止めた!」
「え、」

目の前には天咲、の腕。
その白くて細い手が、俺のパンチをしっかり受けていた。

桃「とりあえず休憩しよ。飲み物と、念の為氷も持ってくるわ」
天咲「え、いいのに~」

パンチを受けた本人はケロッとしてる。