「はあ……。今日も失敗ばっかだったな」

小説を書けと異世界の小説家、ミーナに言われて数日後、未来はため息をつきながら馬のブラッシングをしていた。

今日も未来は学校で失敗しては笑われる日々だった。でも、未来はいつも道化師のように笑うしかできない。

悲しげな目をする未来を慰めるためか、ブラッシングをしていた栗色の馬が甘えてくる。未来は「アハハ、慰めてくれるの?ありがとう」と笑った。動物はいつも自分を元気づけてくれる。

「さて、次は牛舎の掃除をしなくちゃね!」

そう言い未来が歩き出した刹那、目の前が真っ白な光に包まれた。



未来が目を開けると、目の前にあったのは数日前に見たお城だった。自分の服もジャージからあの時の可愛らしい衣装に変わっている。

「久しぶりだな、今日は小説を進めてもらうぞ!」

ロリータ服に大きなハンバーガーを手にしたミーナが笑う。未来は「急にこの世界に召喚するのやめてよ〜……」とため息をついた。