「エナちゃんおはよ……」

「え。やだ、そんな不幸そうなオーラの人の隣にいたくない。近寄らないで」

「ひどい……」




​───翌日。



靴箱で偶然遭遇したエナちゃんに朝から冷たすぎる言葉を向けられ、私の不幸オーラは5倍増しになった。




傷心の身の親友をそんな目で見ないで。

いくら昨日やけ食いしたからと言って、初恋が失恋に終わるのは辛いことなんだよ。



わかって、エナちゃん。



「これから生きていける気がしないよ…」

「なに、朝から遭遇した?」

「当たりだけど人生的にはハズレ」

「笑いのセンスもハズレだよ紘菜」

「優しくしてよぉ…」




相変わらず辛辣で無機質女子代表のエナちゃん。黒髪のショートカットが良く似合う。

憧れるべき、強いメンタルの女の子だ。




…ていうか、ウケを狙ったつもりは無い。

むしろ本気で、私の人生はハズレだと思ったから言っただけなんだけど。