文化祭が1週間後に控えた、ロングホームルームの時間。





「紘菜、その衣装イカしてるね。似合うじゃん」

「バカにしてない?」

「まあ、ちょっと」

「エナちゃん……」




女子更衣室にて、私の頭上からつまさきまで目を通したエナちゃんが微妙な笑みを浮かべている。


最終的に「顔が可愛けりゃなんでもいいのよ」とよくわからない雑なフォローを入れられて、私は小さくため息をついた。




我が高校の文化祭は毎年11月の頭に行われていて、今年も例年通り11月の第一土曜日と日曜日に開催が決まっていた。



模擬店などは原則1・2年生が中心になって作り上げられることになっている。


というのも、3年生は受験があるので自由参加になっているのだ。勉強に集中したい人は参加しなくても問題ないらしい。



しかしながら、学生にとって文化祭というイベントが最大の青春活動であることも確か。



そのため、毎年もう進路の決まった生徒だけでなく、勉強の息抜きがてら参加する3年生が大半みたいだ。