杏がいなくなった次の日


すぐ関西に向かった

家の場所わかるか?と朔に聞かれが、分からなくても辿りつけるだろう。
有名だから

ここから本気だ



杏がいなくなったその日の夜


連絡が途絶えていた志木さんが、杏の家にきた



どこかで応急処置でもしたのか、少し雑な包帯の巻き方で、冷や汗もひどく、今にも倒れそうな状態で現れた


横腹を押さえる志木さんは、玄関に倒れてしまい、よく見ると、タオルで傷口を押さえていたのか、真っ赤に染まったタオルを握っていた


一言で言えば、やばい状態だということ



志木さんはそんな状態なのに、自分のことよりも優先すべきことがあると話し出す


杏様は、行ってしまったんですね


志木さんは、俺たちの様子を見てそう悟ったのか、遅かったと呟いた


「志木さん!病院行きましょう」

「ダメです…東堂に戻らなくては」

「そんな状態で杏のこと守れるわけないだろ?少し黙っててください」


気持ちは分かる。けど、まずは自分の事をどうにかしろよ。
こんなボロボロだなんて…