2年の夏休み サークルの合宿は

川原での キャンプだった。


テントを張って。

バーベキューをして。

暗くなったら 花火をして。


「まどかちゃん。ちょっと来て。」

みんなが 花火で 騒いでいる時

光司は 私を そっと呼んだ。


私は 光司の後をついて 歩いていく。


みんなから離れて。

大きな石に 光司は座り

私を 隣に 手招きした。


「まどかちゃん。今 付き合ってる人 いる?」

光司に聞かれて 私は 首を振る。

「俺 まどかちゃんが 好きだ。付き合ってほしい。」

私は 驚いて 光司の顔を見る。


月明りに 照らされた 光司は

じっと 私を見て 返事を待っている。


「私でいいの?」

「うん。まどかちゃんがいい。」

「ありがとう。」

「いいの?」

「うん。」

「ヤッター。」


光司は ハーフパンツのポケットから

花火を取り出して 火を付けた。


「お祝いの花火。」

私は クスクス笑ってしまう。


嬉しくて。楽しくて。夢みたいに 幸せで。