ああ……マズいことになった。



「男子寮のエスポワールで事件だって!」


「真夜中に怪しい男女が忍び込んでたらしいの!」


「それガチな話!? わたしが聞いたのは、髪の長いオカマなんだけど!」



次の日、学園中は朝から大騒ぎだった。


いやちょいと待った……オカマってワタクシのこと!?


なんて思ってる場合ではない。


冷血寮長さんが総力をあげてその犯人を探してるとか……。


当然、それはミッションを遂行した私と虹くんのことだ。



「一体、何が目的で男子寮なんかに忍び込んだのかしらね。星七はその事件のこと知ってる?」



……ドキリッ!!



「ま、まさか! 私はもう深ーーい眠りについてたし、全く知らないよ! そんな怪しいオカマが忍び込んでたことなんて!!」


「あんた顔近いんだけど……」



問いかけてきた翠に懸命に潔白を訴えた。


……ふぅ。



「そうだ。星七ってレーヴの何号室?」


「えっ!?」



私はギョッとして、翠目がけて目ん玉が飛び出していきそうになった。