肩の高さにすっきりと切り揃えられた髪に、新しい制服。


腰まであった髪を切ったのは昨日のことで、首元がスースーする感覚にまだ慣れない。


私は目の前に広がる校舎を見上げた。


今日から通う新しい学校。


中に入ると向けられる、歓迎されていない視線。


仲間意識が強い彼らは得体の知れない部外者が入ってくるのを嫌うんだろう。


この学校の人たちを殆ど敵だと思っている私にはそんなことどうでもいいけど。


職員室に向かうと、担任からここの生徒は不良が多いから気を付けろよとアドバイスを貰う。


それを承知で私はここに来たんだ。もう後には引けない。


「篠谷華月です。よろしくお願いします」